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Hirai’s eye

必達したい目標がある時こそ、守りに入らない

必達したい目標がある時こそ、守りに入らない

4月から東洋大学の准教授、そして水泳部の監督として、週6コマの授業を担当し、学生と社会人の選手たちを指導する生活が始まりました。学生たちは授業がありますから、各々の時間割を考慮しながら、練習時間を調整していきます。

11人いるチーム平井のメンバー全員が世界で戦える選手です。そんなたくさんのトップクラスの選手を指導することに、「先生のキャパシティは大丈夫ですか?」とご心配くださる方もいます。確かに、今年5月のジャパンオープンでは、チーム全体の成績があまり芳しくなく、その一番の大きな原因は、私が新たな生活にまだ慣れず、余裕がなかったから。しかし、これまでの指導者人生を振り返ると、自身のキャパシティを超えるような環境に身を置くことで、私は成長してきたように思います。

例えば、2004年のアテネ五輪前、金メダルを獲らせるためには、北島康介の指導に集中した方がいいと周囲から助言をいただきました。でも私は、中村礼子も指導することにしました。北京五輪の年である2008年4月からは、康介や礼子、そして上田春佳も指導しながら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在籍し、スポーツマネジメントを学びました。この時も周囲から、なぜそんな忙しいタイミングで学びに行くのかと言われました。

でも、「金メダル獲得」という最も高い目標に情熱を持って取り組める時こそ、臆病になってはいけないと感じます。「何でも来い!礼子には銅メダルぐらい獲らせてやる!」。それぐらいの気概とエネルギーがなければ、指導者として康介を世界の頂点に届かせることなどできなかったと思うのです。

実際、今までより高いレベルの環境に飛び込んでみると、次々と問題が発生し、その都度、頭を悩ませながら解決策を探ります。その過程こそが、私を成長させてくれていることは確かであり、また、2008年に学んだスポーツマネジメント論は、現在の平井レーシングチームの形にきちんとつながっています。

ロンドン五輪では、チームジャパンの11個というメダル獲得数に評価してくださる方もいらっしゃいました。しかし、金メダルが1つも獲れなかったことに対し、私は悔しくて仕方がありませんでした。次のリオデジャネイロ五輪では、できるだけ多くの金メダルを獲得したい。そんな高い目標を達成する一つの要因には、新たな環境で多くの選手を指導できるぐらいの力が自分にないと、厳しいと感じています。リオデジャネイロ五輪に向けた1年目は、新たな環境に慣れ、知恵を絞りながら一つひとつハードルをクリアしていく。そんな年と捉えてアグレッシブに前進していきます。

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